第2回シンクからあふれた水…凍死 認知症の妻、老老介護の末
いつもの朝の、いつものごみ出し……のはずだった。大阪府枚方(ひらかた)市の住宅街。70代の女性は、顔なじみの高齢夫婦の家の前を通りかかり、立ち止まった。玄関扉の下の隙間から、水が流れ出ていた。
「いったい何ごとやろ」。そういえば、2階のベランダの洗濯物は取り込まれていなかった。
引き返して夫に相談し、自治会の役員を呼んだ。扉に触れると鍵はかかっておらず、開けて声を掛けても反応はなかった。
通報を受けて駆けつけた警察官が中に入り、夫婦の遺体を見つけた。2018年12月のことだ。
枚方署によると、妻(当時89)は1階の和室のこたつに足を入れて横たわり、夫(同80)はそのそばで仰向けに倒れていた。
ともに凍死だった。
大阪市港区の分譲マンションでは、68歳の母と42歳の娘が餓死しているのが見つかりました。室内にあった現金は10円玉1枚と1円玉3枚の計13円。冷蔵庫の中をふくめ、食べ物は残っていませんでした。
いつ亡くなったのか定かでは…
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