ホンマの人情映画 西成舞台の「ねばぎば 新世界」

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富岡万葉
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 「心を人間で見せる、大阪ならではの映画を撮りたかった」。映画「ねばぎば 新世界」は、俳優で監督である上西雄大の本領発揮といえるだろう。主宰する劇団の舞台で積み重ねた人情モノが、花開いている。

 その名の通り、大阪・新世界が舞台だ。ボクシングジムを営んでいた勝吉(赤井英和)は、かつての弟分コオロギ(上西)と再会。2人は、ある宗教団体から少年と恩師の娘を救い出そうと立ち上がる――。痛快なアクション劇は、勝新太郎田宮二郎のコンビが悪に立ち向かう「悪名」シリーズへのオマージュだ。

 浮ついて揺れ動く男を上西が人間臭く演じれば、赤井は重しのようにどっしり構える。「一人では立てない人間も、太陽のような魅力を持った人のそばでは力を得られる」。「浪速のロッキー」の異名で活躍し、豪快な人柄で親しまれる元ボクサーを、イメージそのままに利を求めない関西のヒーローとして見せた。

 これでもかと映し出される西成の街は、赤井の生まれ育った地だ。ダブル主演のほか、監督・脚本を手がけた上西も大阪出身。ホンモノの大阪弁の掛け合いが、物語に嫌みのない笑いと情をまぶしている。

 道を踏み外しそうになったコ…

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