データ大国中国、アメリカとの攻防 日本企業にも影響大

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聞き手 編集委員・吉岡桂子
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 中国政府は6日、米国など国外で上場する中国企業への規制強化策を公表した。米国へのデータ流出を警戒した動きで、中国配車アプリ最大手の滴滴出行(ディディチューシン)などが標的になっている。データが企業や国家の競争力を左右するなか、中国政府は関連する法律を矢継ぎ早に打ち出している。背景にあるのは米国との対立激化だが、日本企業への影響も大きい。中国の法制度に詳しい、方達法律事務所(上海)の孫海萍(スン・ハイピン)弁護士に話をきいた。

 ――中国のデータセキュリティー法が6月に成立し、9月から施行されることになりました。データの管理や保護、安全審査などが盛り込まれています。滴滴の審査でも使われたサイバーセキュリティー法(2017年施行)のほか、個人情報保護法も近く成立する見通しです。中国はなぜ、データや情報にかかわる法律の整備を急いでいるのですか。

 「産業の発展を促し、国の安全を守ることが大きな狙いだ。データ資源は、人工知能(AI)やITなど次世代技術の扉を開く『カギ』と言われている。とりわけ、中国政府は、データに関する法整備において、米国や欧州連合(EU)より後れをとっているとみている。欧米には、この分野で国際ルール作りを先導しようという動きもあるだけに、追いつく必要があると考えていると思う」

 ――データをめぐっては、米国との摩擦の一因にもなっています。

 「中国、米国ともデータ大国。双方ともその保護を重視している。米国のマイクロソフトグーグルなど大手IT企業は、世界中でビジネスを展開し、その活動により日々データを収集している。いっぽう、14億人規模の国内市場を抱える中国も、国内IT産業の発展により膨大なデータを蓄積している。中国は、データ資源の『攻防戦』に対する体制を構築しなければならないと考えている」

 ――データセキュリティー法には、中国国内に保存しているデータを外国の裁判所、検察や警察などに提供する場合、中国当局の許可が必要とあります。中国に進出した日本企業が中国に置いてある自社のデータを、日本の司法機関などに提出するのに、わざわざ中国当局の許可がいるのですか。

 「米国の法律に対応したもの…

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