対中国ミサイル網構築の狙いは 米国の元高官2人が語る

有料会員記事

聞き手・園田耕司 ワシントン=園田耕司
[PR]

 米国防総省が太平洋地域の米軍強化に予算を集中投資し、九州・沖縄を含む第1列島線に沿って対中ミサイル網を構築する計画を進めている。その狙いは何か。ハリス元米太平洋軍司令官の特別補佐官を務めたエリック・セイヤーズ氏、レーガン米政権で米国防次官補(ロジスティックス担当)を務めたローレンス・コーブ氏の2人に聞いた。

「中距離ミサイルの日本配備、協議を」 セイヤーズ氏

 インド太平洋地域の米軍強化を目的とした基金「太平洋抑止イニシアチブ(PDI)」の始まりは、5年ほど前、共和党のマケイン上院議員(故人)とハリス米太平洋軍司令官(当時)が、太平洋地域で直面している中国の脅威について協議したことにさかのぼる。

 欧州ではすでにウクライナ危機を受けて始まった米軍強化の基金「欧州抑止イニシアチブ(EDI)」があり、米国防総省と米議会は必要な資源をすぐに投入できる態勢を整えていた。

 EDIの成功をみて、米議会はPDIを設置することを決めた。PDIは、米インド太平洋軍が5年間にわたって抑止と戦闘のために必要だと考えるリストを米議会に提示する機会を与えるものだ。

 中国のロケット軍は25年間にわたって近代化に必要な投資を続けていた一方、米軍は対テロ戦争に焦点を当てて、対艦ミサイルの近代化などに多くの時間とエネルギーを割くことはなかった。中国は今や大量の高精度ミサイルをもつ。中国軍が地上、海上、空、海中などあらゆるところから大量のミサイルを発射できることが、米軍の作戦計画立案者たちを悩ませている。

 米インド太平洋軍が予算要望書に記載した「地上発射型長距離射程砲」とは、射程500キロ以上の地上発射型中距離ミサイルを指す。太平洋上においては、射程500キロ未満の制限は極めて厳しかった。しかし、米国は中距離核戦力(INF)全廃条約を脱退し、ミサイル能力を制限する必要はなくなった。

 日本は第1列島線という極め…

この記事は有料会員記事です。残り1660文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
【1/24まで】2つの記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!