国民祭典「ナーダム」中止に モンゴルでコロナ感染拡大

北京=高田正幸
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 モンゴル新型コロナウイルスが猛威をふるっている。今年は中華民国から独立して100周年となり、1万人以上が参加する国民的祭典「ナーダム」が今月11日に開かれる予定だったが、世論を二分する議論の末に中止になった。

 モンゴルは春以降にコロナの感染が急拡大し、政府によると先月18日には1日当たりの新規感染者数で過去最多の2746人に。その後は減少したが、今月6日時点の新規感染者数は1643人と、人口330万人の同国で人口が40倍近い日本の同日時点の新規感染者数(1658人)とほぼ同じだ。モンゴル政府は警戒レベルが上から3番目の「高度警戒準備態勢」をとり、飲食店などの営業や、ワクチン未接種者の移動を制限している。

 感染拡大を受けて、モンゴル各地であるナーダム開催の是非が問われた。モンゴル相撲と競馬、弓の腕前を競って勝ち上がれば称号が与えられる伝統行事で、ナーダムのために1年間鍛錬を重ねる人もいるほどだ。

 なかでもモンゴル政府主催で首都ウランバートルで開かれる「国家ナーダム」は毎年、1921年7月11日に中華民国から独立した「革命記念日」に開幕。大統領らが出席し、2007年には当時、皇太子だった天皇陛下が観戦したこともある。今回は100周年の記念大会で、開催賛成派が馬に乗ってデモ行進するなど議論が白熱したが、政府は無観客で開催方針だったが2日、「開催すれば(参加者らだけで)約1万2千人が集まり、約3千人が感染するリスクがある」と中止を決めた。国営メディアは、各地のナーダムも全て中止となるという見通しを伝えている。(北京=高田正幸)