ダイキン、EV空調用の冷媒開発 航続距離が最大5割増

橋本拓樹
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 ダイキン工業は、電気自動車(EV)のエアコンに使う省エネ性能の高い冷媒を開発した。消費電力が少ないため、EVの航続距離を最大5割ほど伸ばせると見込む。2025年をめどに市販車に搭載することを目指す。

 冷媒は熱を運ぶガスで、様々な種類がある。エアコンや冷蔵庫などで、空気を熱したり冷やしたりするときに使われる。

 ガソリン車のエアコンはエンジンの排熱などを活用する。一方、EVではバッテリーの電気を使ってエアコンを動かすため、そのぶんだけ課題である航続距離がさらに短くなる。

 同社が開発した冷媒を使うと特に暖房時の消費電力が抑えられ、理論上は気温が零下になるなど暖房をフルで使う場合の航続距離が最大で5割ほど伸びる。冷媒が漏れるなどした場合の温室効果も、一般的な自動車や家庭のエアコンに使う冷媒に比べて非常に小さく、環境に優しいという。

 新たな冷媒は、先月国内で開かれた空調関連の学会で発表した。現在、米国の自動車の業界団体とともに性能や安全性を検証している。

 EV用の冷媒は、今は主に米国企業の製品が使われている。ダイキンは世界的な空調や冷媒の大手だが、これまで自動車向けはほとんど手がけていなかったという。(橋本拓樹)