「保健所がパンクする」 生きなかった10年前の反省文

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聞き手=大牟田透 富田洸平 シニアエディター・尾沢智史
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 五輪の無観客開催を求めた専門家と、有観客にこだわった政権。せめぎ合いは、専門家が押し切った格好だ。政治と科学の関係はどうあるべきか。政・官・学の3者の視点から考える。(聞き手=大牟田透 富田洸平 シニアエディター・尾沢智史)

専門家の言葉が重視されない国 専門性のある政治家がいないと 自見英子さん(自民党参議院議員小児科医)

 五輪自体はコロナ前から決まっていたし、選手のために開催が望ましい。しかし延期して1年はあったのに準備不足が目立ちます。東京都の顔も見えません。感染拡大をどう防ぐのか具体論で示さないと国民は当然納得しないし、選手も不安でしょう。初期の感染症政策に関わった国会議員として忸怩(じくじ)たる思いです。

 今の感染状況を考えれば、私は4回目の緊急事態宣言も無観客開催も当然だと受け止めています。政府分科会の尾身茂会長はじめ専門家が開催に懸念を示したのも、出しゃばりなどではありません。この国で感染症を抑える責任を持つ方々の言葉にもっと真摯(しんし)に耳を傾けるべきです。

 尾身先生たちによる「無観客」の提言にはありませんでしたが、専門家は以前から「もっと水際対策を」と訴えてきました。国内の感染の波はこれまで全部海外から入っています。関係者を含め何万人も入国して検疫は大丈夫か心配されます。選手に接する日本人スタッフへのワクチン接種も、免疫ができるタイミングを考えれば遅すぎます。

記事後半では、昨夏まで医系の技術官僚トップ「医務技監」として、コロナ対策を指揮した鈴木康裕さんが登場。「行政は、専門家と政治の間を埋める役割ができる」と話します。また、新潟大学教授の佐藤靖さんは「政治と科学の距離感や意見の違いはあっていい」と指摘します。

 提言に「開催中止」は入りま…

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