野球部を支える「応援委員会」 球場応援はできなくても
梅雨入りしたての東京。6月15日午後、体育館に集まった運動着姿の約20人が、蒸し暑さをはね返すように声を張り上げた。「フレー!フレー!」
中高一貫校の本郷(東京都豊島区)には、2006年に生徒有志が前身を立ち上げた「応援委員会」がある。現在100人超の委員を擁し、体育祭など校内イベントで演技を披露するほか、運動部が試合する際には応援に駆けつける。
中学1年から続けている委員も多い。旗手隊長の北野吾郎さん(3年)もその一人。野球応援は「勝ったら選手と同じ喜びを味わえる。全力で応援するからこその感覚」と話す。
ただ、昨年はコロナ禍で球場応援ができなかった。今春の都大会は球場へ入れたものの、声出しや旗を揚げることはできず、静かに見守るしかなかった。
野球部の鎌田和大主将(3年)とは高2で同じクラスになり、仲良くなった。昨夏に続き今年もスタンドで応援できるかはわからないが、鎌田主将へは「球場で声は出せないかもしれないけれど、応援してるから」と伝えた。
できることなら、委員会で代々受け継いできた289センチ×365センチの旗を球場で掲げたい。「お互い最後の学年なので、旗で士気を高めたい」
鎌田主将も、委員会の存在を心強く思っている。春の大会、スタンドから見守ってくれる姿がうれしかった。北野さんから「応援しているから」と伝えられた時も、「こんなに周りから支えられてるんだ」と、その言葉が心に残った。
ベンチ入りした1年生の時、スタンドから届く応援委員会や保護者からのエール、吹奏楽部の演奏に驚いた。初戦で負けてしまったが、応援の迫力は記憶に焼きついている。「今年こそ勝って、できれば、その姿をみんなに見てほしい」(御船紗子)
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