建設石綿訴訟、作業員側と国が和解 最高裁判決後で初

森下裕介
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 建設現場でアスベストを吸い、健康被害を負った作業員や遺族が国などに損害賠償を求めた訴訟で、元解体業の男性の遺族と国が8日、大阪高裁で和解した。原告側弁護団によると、国や建材メーカーの賠償責任を認めた5月の最高裁判決後、国との和解が成立したのは全国で初めてという。

 最高裁判決は、個人で仕事を請け負う「一人親方」についても、国の賠償責任を認定。二審の東京高裁大阪高裁の判決が国の責任を一部否定していたため、審理を差し戻していた。

 原告側弁護団によると、国が、元解体業の川原巖さん(死亡時70)側に1336万円を支払うことで合意したという。巖さんの妻・千鶴子さんは「長い裁判でしたが、和解が成立しホッとしています」とのコメントを出した。

 建設資材のアスベストによる健康被害を巡っては、最高裁判決を受け、国が被害者に補償する基金の創設を決めた。大阪市内で会見した大阪アスベスト弁護団長の村松昭夫弁護士は、建材メーカーによる補償のめどが立っていないとし「大きな課題。追加提訴を精力的に進めたい」と話した。

 同弁護団は平日午前10時~午後6時、アスベスト被害の無料電話相談(0120・966・329)を受け付けている。(森下裕介)