北京五輪の式典「ボイコットを」英議会 ウイグル問題で

金成隆一、北京=冨名腰隆
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 英下院議会の外交委員会は8日、中国による新疆ウイグル自治区の人権問題に関する報告書を公表した。中国政府への国際的な圧力を強めるためとして、来年の北京冬季五輪の式典ボイコットや、ウイグル自治区で生産される新疆綿の取引禁止措置などを提言した。

 超党派の同委員会は報告書で、ウイグル族の大量収容や強制労働強制不妊手術について「中国政府に責任がある」と強調。ウイグル族などの少数派が「ジェノサイド(集団殺害)に苦しんでいる」との動議を4月に採択した議会下院の認識を、英政府が受け入れるよう求めた。

 その上で提言には、政府関係者らが北京五輪の式典に参加しないこと、英企業にスポンサーや広告の契約を結ばないよう要請すること、選手が「中国政府のプロパガンダ」に利用されないよう注意することなどが盛り込まれた。また、新疆綿が使われている製品の輸入禁止措置を模索することも政府に求めた。

 ジョンソン首相は7日の議会で、五輪ボイコットの是非を問われ、「直感としてスポーツ行事のボイコットには反対だ」と述べた。英国は率先して中国での人権侵害を非難し、責任者への制裁も科してきた、とも主張した。

 英議会の動きに対し、中国外務省の汪文斌副報道局長は8日の定例会見で、「中国はスポーツを政治問題化することに断固反対し、いわゆる人権問題で他国に内政干渉し、政治的な動機で北京冬季五輪を妨害することにも反対する。このようなやり方は国際社会や多くの国の政府、IOCを含む各界が明確に反対しており、実現しないだろう」と批判した。(金成隆一、北京=冨名腰隆