サケ・マス引き網漁、漁獲過去最高に ロシア水域で操業

大野正美
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 ロシア200カイリ水域でのサケ・マス引き網漁(表層トロール漁)の試験操業船「第68善龍丸」(富山県魚津市)が8日、6月10日から7月5日までの操業を終え、北海道根室市の花咲港に帰港した。水揚げされた漁獲総量は88・3トンで、昨年の27・6トンから大きく増え、過去最高となった。

 ロシア200カイリ内では2015年、流し網漁が禁止された。引き網漁はそれより漁業資源への悪影響が少ないとされ、水産庁の委託事業として16年に始まった。今年はカムチャツカ半島南の漁区で漁獲枠125トン、入漁料2433万円の条件で操業。漁獲枠に対する実際の漁獲の消化率は70・6%で、過去の20~50%台から大幅に上がった。

 ただ、価格の安いカラフトマスが77・7トンと全体の88%を占め、価格が高いシロザケ(7・5トン)は8%、ベニザケ(3トン)は3%にとどまった。漁の後半、ベニザケなどの漁獲が増える傾向もあったが、カラフトマスが漁獲枠の上限に近づき、10日ほど早く漁を切り上げたという。

 昨年はロシアとの交渉妥結が遅れ、操業日数は15日間にとどまった。今年は交渉が早くまとまり、26日間に増えた。漁獲増はそうした背景もあるが、善龍丸の大高真澄船長(41)は、「引き網を続けて習熟したのも、漁獲増につながったのではないか。今後はベニザケがとれやすい夜の漁を増やすなどさらに工夫し、高い魚の割合を増やしたい」と話した。(大野正美)