浸水被害が相次ぐ 鹿野で24時間雨量285ミリ 鳥取

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 鳥取県内では8日も雨が断続的に降り続き、住宅の浸水被害などが相次いだ。

 気象庁によると、県内各地の24時間降水量は8日午後6時現在で、鹿野(鳥取市)160・5ミリ、大山(大山町)155ミリ、関金(倉吉市)153・5ミリを記録。鹿野(鳥取市)は8日午前2時40分までの24時間で285ミリを観測し、7月としては観測史上最大となった。8日午後6時28分現在で、県内全域に大雨警報や洪水警報が発令されている。

 県の午前9時現在のまとめでは、鳥取、倉吉両市と湯梨浜、琴浦、北栄、大山、南部各町で住家の床上浸水が計4棟、床下浸水が計25棟あった。湯梨浜町の公民館、琴浦町のこども園でも浸水被害があった。

 北栄町大谷地区ではため池の堤防が決壊し、流れ出た水で付近の農業ハウスが倒壊したり農道が壊れたりする被害が起きた。

 町内全域に警戒レベル4の「避難指示」が出された鳥取市青谷町では7日夕から道路が冠水で通行できず、20世帯62人が「孤立」したが、同日深夜に解消された。床上浸水の被害が発生した3カ所のうちの一つ、建築資材会社「野藤(のとう)商店」には8日、深沢義彦市長が見舞いに訪れた。

 野藤晃寿(てるとし)社長(54)によると、店舗兼事務所に浸水が始まったのは7日午後1時前。従業員らで事務机から引き出しを、本棚からはカタログなどを取り出したが、水かさはどんどん増え、床上45センチに達した。

 野藤社長は「(併設の)倉庫の屋根瓦や断熱材、セメントなどをトラックに積んで避難させたかったが、間に合わなかった。十数台のトラックを避難させるのが精いっぱいだった」と振り返った。屋根瓦は洗って汚れを落とせばいいが、木材などは雨水につかるともう使えないという。水は7日夜の9時半ごろから引いていったという。

 野藤社長と市青谷町総合支所によると、野藤商店周辺は地盤が低いため、雨水が集まりやすい。急激に雨が降ると近くの川などへの排水が追いつかず、台風接近時にはたびたび浸水被害を受けているという。

 野藤社長は今後の浸水対策について「できれば地盤をかさ上げしたい。市には大きなポンプを設置してもらえるといいのだが」と話していた。

 同商店を訪れた深沢市長は野藤社長に「本当にたいへんでしたね」とねぎらいの言葉をかけ、浸水時の状況などについて説明を聞いた。その上で「床上は消毒が必要ですね。できる限りのことはします」と伝えた。

 鳥取市は、吉成南町1、2丁目に出していた「緊急安全確保」を解除したが、7日に出した「避難指示」と「高齢者等避難」はそのまま続いた。避難指示は8日午後4時36分現在、1万3948世帯3万2477人に、高齢者等避難は5万5801世帯13万738人に出ている。避難所への避難者は8日午後6時現在、5カ所に57人。同日午前2時現在の39カ所776人から大幅に減った。

 米子市は8日午後5時30分に12地区、6194世帯に避難指示を出した。当初は淀江地区だけに発令し、ほかの11地区は警戒レベル3の高齢者避難を発令していたが、より危険性が高まったとして12地区になった。7日から設けていた自主避難所を含めた13カ所が避難所になった。市内では淀江地区で土砂が道路に流入するなどの被害が数カ所あった。

 県によると、大雨被害の復旧に向けて、徳島県から排水ポンプ車1台と土囊(どのう)袋1500枚やブルーシートなどの提供を受けた。ポンプを操作するなどの排水作業にあたる県職員3人や民間業者6人も派遣された。岡山県からも土囊(どのう)袋500枚の提供を受けた。

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 鳥取市吉成1丁目の国道53号で7日午後7時40分ごろ、信号機のある交差点を歩いて横断していた同市吉成の無職荒西三雄さん(85)が、同市河原町和奈見の市職員由木留美子さん(49)運転の乗用車にはねられた。荒西さんは病院に運ばれたが、出血性ショックで死亡が確認された。

 鳥取署によると、荒西さんは大雨による避難のため、娘と2人で市立南中学校の避難所に向かう途中で、由木さんは帰宅中だったという。

 市職員による交通死亡事故を受け、鳥取市幹部が市役所本庁舎で記者会見を開いた。浅井俊彦・総務部長は「職員には安全運転の徹底を周知し、指導してきた。市民の皆様にご心配をかけ、おわび申し上げます」と謝罪。職員に自宅待機を命じたことや、交通死亡事故は公務員の信用失墜行為にあたるため、県警の捜査や事実関係の調査を踏まえ、処分を決める方針を説明した。