記述式・民間試験導入の断念を提言 「文科省は反省を」

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桑原紀彦 編集委員・氏岡真弓
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 大学入試のあり方を議論してきた文部科学省の有識者会議(大学入試のあり方に関する検討会議)は8日、2025年以降の大学入学共通テストにおける国語・数学での記述式問題導入と英語民間試験の活用について、「実現は困難」とする提言を萩生田光一文科相に提出した。文科省はこれを踏まえ、いずれも見送ることを正式に決めて8月上旬までに公表する予定だ。

 記述式導入と英語民間試験の活用は、大学入試改革の「二枚看板」だった。2013年に政府の教育再生実行会議が「知識偏重の1点刻み脱却」を求め、大学入試センター試験の後継テスト(現在の共通テスト)の導入を提言。翌年、文科相の諮問機関の中央教育審議会が記述式導入や英語民間試験の活用を答申した。

 だがその後、大量の記述式答案を短期間に公正に採点する難しさや、家計の状況、住んでいる地域による民間試験の受検機会の格差といった課題が解消されていないとの批判が噴出。萩生田文科相は、21年1月実施の第1回共通テストでの民間試験と記述式の見送りを19年11、12月に発表し、同年12月に設置された有識者会議が今後の扱いを議論してきた。

 会議座長の三島良直・東京工業大名誉教授から提言を受け取った萩生田文科相は「受験生が公平にチャレンジできる環境づくりのため、しっかり対応したい」と応じた。また、三島座長は報道陣の取材に、公正な採点をどう行うか、受検機会の公平性をどう確保するかについての詰めが導入決定時に欠けていたと指摘。「意思決定の仕方に問題があり、受験生に迷惑をかけた。文科省は真摯(しんし)に反省し、しっかりやっていただきたい」と語った。

 提言は、記述式や英語の4技能(読む・聞く・話す・書く)を測る問題は各大学の個別試験で出すべきだとし、取り組んだ大学への国による財政支援も求めた。ほかに、共通テストでの電子出願導入や、入試における面接のオンライン化推進も求めた。(桑原紀彦)

受験生不在の議論の末に……

 文部科学省の「大学入試のあ…

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