香港の民主派区議、約50人が辞職 政府が忠誠を義務化

香港=奥寺淳
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 香港の地方議会に当たる区議会議員(479議席)のうち少なくとも民主派の区議50人が、8日までの2日間で辞職を表明したことがわかった。香港メディアが一斉に報じた。区議は政府に「忠誠」を宣誓することが義務化され、「愛国者」とみなされなければ資格が剝奪(はくだつ)されることから、これまでに計約100人の民主派区議が辞職や資格剝奪を迫られる事態になっている。

 香港政府は5月に条例を改正して、区議の宣誓を義務化。中国に反体制的な動きを取り締まる香港国家安全維持法国安法)が施行されたことに伴うもので、民主的な選挙で選ばれる区議から体制に批判的な民主派を実質的に排除できる制度になった。

 香港メディアによると、香港政府が今月中に区議へ宣誓を求めると表明したことから、8日までの2日間で少なくとも50人の区議が辞職を表明したという。午後9時半時点で、少なくとも60人に達したとの情報もある。香港政府は6月18日までにすでに区議44人が辞職または資格を剝奪されたと明らかにしている。

 事件の容疑者を中国に移送できる逃亡犯条例改正案に反対するデモが相次いだ2019年の区議選では、民主派が388議席を獲得して圧勝した。香港メディアによると、このうち約230人の区議が、中国の政治体制を認めるなど今回の条例が求める要求を満たしていないとされ、宣誓しても資格が剝奪されるとみられていた。すでに一部の区議は、国安法違反(国家政権転覆)の疑いで逮捕されており、区議会でも民主派が強い圧力を受けている。(香港=奥寺淳