囲碁名人戦、一力遼が初の挑戦者に 8月から井山と対局

大出公二
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 第46期囲碁名人戦(朝日新聞社主催)で、一力遼天元(24)が8日、井山裕太名人(32)への挑戦権を獲得した。この日の挑戦者決定リーグ戦で2位の許家元(きょかげん)十段(23)が羽根直樹九段(44)に敗れ5勝2敗となり、7戦全勝の一力は8月の最終戦を待たず挑戦を決めた。七番勝負は8月に開幕。両者は一力がタイトルを持つ碁聖戦五番勝負も争っており、合わせて十二番勝負の決戦となる。

 一力の名人挑戦は初めて。初リーグの前期も7勝1敗の好成績を残したが、唯一黒星を献上した井山が全勝優勝し、挑戦権を逃した。名人を獲得した井山不在の今期リーグ戦は、ライバル許とのマッチレースとなり、2月の直接対決を制した一力が先頭を譲らず、そのまま優勝した。

 七大タイトル戦の井山との番勝負は、今期名人戦で8回目。2016年、19歳で井山に挑んだ天元戦から5回連続で敗退したが、昨年末の天元戦で初めて勝ち、反転攻勢に移った。

 次代の囲碁界の覇を競う「令和三羽ガラス」のひとりに数えられ、昨夏の碁聖戦で初の七大タイトルを獲得し、現在、天元と合わせ二冠。東北の有力紙「河北新報」の創業家に生まれ、同紙記者の肩書も持つ。

 迎え撃つ井山は、2度にわたり七冠独占を達成した囲碁界の第一人者。現在は七大タイトルの中でとくに序列の高い名人、棋聖、本因坊の「大三冠」を保有する。

 近年は令和三羽ガラスとの攻防が激化し、昨年は芝野虎丸王座(21)から名人を奪取し、一力には天元を奪われた。今夏の本因坊戦では芝野の挑戦を退け、10連覇を遂げた。次の照準を一力との碁聖・名人十二番勝負に合わせる。

 一力は「最近の井山先生は非常に充実しており、たいへんな戦いになると思います。こちらもまずまずの調子なので、力を出し切れればと思います」と話した。(大出公二)