五輪を最優先、崩れた方程式 楽観論に流された菅首相

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西村圭史、石井潤一郎 下司佳代子、市野塊、枝松佑樹
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 菅義偉首相が、東京都に4度目の緊急事態宣言を出すことを発表した。前回の宣言解除から3週間もたたない中、東京は新型コロナの感染「第5波」に見舞われつつある。東京五輪の開催を最優先した菅政権の対応に、不備はなかったのか。首相の政治責任が大きく問われている。

 「前回の宣言を解除してから3週間で再び宣言に至り、大変申し訳ない思いであります」。8日夜、4度目の宣言を決めた対策本部後の記者会見で首相は陳謝した。また、自身が最優先課題として準備してきた五輪について「緊急事態宣言の下で異例の開催となった」との認識を示した。

 9月に自民党総裁としての、10月にいまの衆院議員の任期を迎える首相は、この夏、コロナの感染拡大を抑え込んで、安心・安全な五輪を実現して衆院解散・総選挙になだれ込み、勝利したい考えだった。

 だが、その方程式は崩れつつある。東京に押し寄せる感染「第5波」を防げず、かねてこだわってきた「東京の有観客」は断念に追い込まれた。政府のコロナ対応や現状での五輪開催に、否定的な世論は根強いままだ。その声を反映するように、先の東京都議選は、自民党が事前の予測を大きく下回る「大惨敗」(閣僚の一人)に終わった。

 「五輪を最優先にした結果、感染状況も有観客もこの有り様」(自民党衆院中堅)といういまの光景は、3週間前に宣言を解除した時から、政権与党内で予見されていた。

 オリパラ対応にあたる政府関…

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