「妹の世話が」中3でいなくなった少女 見えぬ死の背景

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国方萌乃、西岡矩毅
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 和歌山市で6月、16歳の少女が死亡した。死因は繰り返し殴られたことによる外傷性ショックで、県警は家庭内で虐待を受けたとみて捜査している。中学校の同級生の話からは、少女が学校を欠席がちになり、周囲とのつながりが薄れていく様子がうかがえる。9日で事件から1カ月。家の中で何が起きたのか、わからないままだ。(国方萌乃、西岡矩毅)

「妹の面倒を見ないといけないから」

 6月9日午後、同市内の集合住宅から「家に帰ってきたら娘の意識と呼吸がない。血のような黒いものを吐いている」と119番があり、鶴崎心桜さん(16)が搬送先で死亡した。捜査関係者によると、遺体には古いあざがあり、肋骨(ろっこつ)は折れていたという。

 心桜さんの家族をめぐっては、心桜さんが搬送された約1時間半後、母親(37)と妹(4)の遺体が大阪府泉佐野市関西空港連絡橋から約1キロ南の海上に浮いているのが見つかった。県警は、母親が妹を道連れに橋から飛び降りたとみている。

 また、和歌山市消防局によると、同日夜、義理の父親が市内で座り込んでいるところが発見された。駆けつけた救急隊員に「カフェインを服用して首をつろうとしたが、失敗した」と説明したという。

 「もっと気にかけてあげていれば、こうはならなかったのかも……」。心桜さんと仲が良かった女子生徒はそう言って肩を落とす。

 中学校で同じソフトボール部に入ったが、数カ月で練習に来なくなった。「妹の面倒を見ないといけないから」と説明されたという。このころから、心桜さんを校内で見かける頻度が減り、3年生になると、ほとんど見なくなった。ただ、「たまに会う時はいつもの明るい心桜だった」。

 今年3月、心桜さんとみられるインスタグラムのアカウントから、フォロー申請があった。卒業後の進路は知らなかったが、5月半ばまでカフェに行ったり、美容品を買ったりする様子が投稿されていた。

 プロフィル欄には「大阪JK」。「将来の夢は美容師」と聞かされたことがあり、「大阪の美容学校で楽しくやっているんだと思っていた」と話す。

 中学校の同級生は取材に対し、「3年生になってから、学校で心桜さんをほとんど見かけなかった」と口をそろえる。心桜さんから「妹の世話で忙しくて、学校に行く暇がない」と説明された生徒もいた。

行政、関わりを持ったこともあったが…

 家庭内で何が起きていたのか。行政が過去に、関わりを持ったこともあった。

 県子ども・女性・障害者相談…

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