牛肉を一日130キロ切ってきた「定番でも手を抜かず」

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野口陽
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凄腕しごとにん

写真・図版
固定概念は無いと言う。旧来の手法にこだわらず、「お客さんが『わあすごい』と言ってくれるのを目指している」=東京都世田谷区、大野洋介撮影

オオゼキ 精肉部門 副統括 石塚貴光さん(43)

 今日は焼き肉だ!――コロナ禍で外食しにくくなったこの1年余、自宅で家族と焼き肉をしようと、スーパーを訪れる人が増えたという。お手ごろでおいしい肉をうたい文句に、都内を中心に42店舗を展開するスーパーマーケット「オオゼキ」で精肉部門を引っ張る。

 大手スーパーには、コスト削減や商品の均一化などを目的に一括購入、一括加工の「センター方式」を採るチェーンもあるが、オオゼキは各店の各部門に作業の多くを委ねる。一日約6千人が訪れる旗艦店・下北沢店(東京都世田谷区)の部門責任者として5月までの2年超、仕入れ、加工、陳列の全工程を手がけた。カットした肉は牛肉だけでも一日最低130キロで、店頭に並ぶ300グラム入りのパックでは433個分。在任中に切った量は少なくとも70トンに上る計算だ。

 主要駅の間近に構える下北沢店の来客数は、同社では他店舗の約2倍と図抜けて多い。精肉部門の売上高も全店舗でトップ。目の肥えた客を相手に息の抜けない役回りだったが、任された期間の売り上げは過去最高を更新し続けた。

 精肉売り場の奥にあるキッチンで、肉の塊を切りそろえ、プラスチックトレーに黙々と並べ続ける。作業は一見地味だが工夫を随所にしのばせる。同じ牛肉でもロース、モモ、カタなど部位ごとに切り方や折り方を変え、見せ方を変える。厚切り、薄切り、サイコロ形。折ったり斜めに並べたり。同じトレーの中で違いを出すことも。「定番商品も手を抜きたくない」

 季節にちなんだ絵柄に見える…

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