台湾のオードリー・タン氏、五輪出席へ 親日のIT閣僚
台湾が23日に開幕する東京五輪の開会式に、オードリー・タンIT担当相を出席させると決めたことが、関係者の話でわかった。すでに台湾のオリンピック委員会が関係機関に入場証の発行を求めるなど、関連の手続きを進めているという。
タン氏は高校に通わず10代からIT業界でソフト開発などに携わり、蔡英文(ツァイインウェン)政権1期目の2016年に35歳の若さでIT担当相として民間から入閣。小中学校で不登校を経験し、20代でトランスジェンダーであることを公表した経歴とともに世界的な注目を集めた。日本ファンとしても知られ、日本政府のデジタル庁設計過程では日本側から定期的に相談を受けていた。
台湾は日本でも知名度が高いタン氏を派遣することで、日本からの新型コロナウイルスワクチン提供に対する謝意を示すとともに、中国からの圧力が強まる中で台日関係の強化を図るとみられる。
タン氏はIT担当相として、台湾のマスク不足を解消するため、コンビニでのマスク配給制度を開発。今年5月以降の感染拡大後は、「デジタル弱者」に配慮したワクチン予約システムを作った。閣僚就任後は社会の多様化やデジタル化について、海外のフォーラムなどに招かれて発言している。(台北=石田耕一郎)
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