イワシの群れから出る勇気を ヤマザキマリさんの五輪論

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聞き手・小村田義之
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 新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、東京五輪の開幕が近づいている。首都圏1都3県や北海道などは無観客となるが、菅政権や関係者は「開催ありき」の姿勢を貫き、中止や延期といった「プランB(代替案)」を提示しないできた。社会はそれを許容するのか。コロナ禍前までイタリア在住だった漫画家・随筆家ヤマザキマリさんに聞いた。

写真・図版
漫画家・随筆家のヤマザキマリさん

 これほど非難が絶えず、わだかまりが残る中で始まる五輪はかつてなかったでしょう。

 菅義偉首相や閣僚は何を話し合っているのか詳しい説明はないし、国民は国民で徹底して議論することもない。真相を知らない間にいつのまにか何かが決まって実行されるという風潮は今までの日本でもよくあったことだと思います。

 「緊急事態宣言の最中であっても、感染者が増えるリスクを払拭(ふっしょく)できなくても、それでもどうしても五輪をやらなきゃいけない」と言うのなら、その具体的な理由を知りたいと思うのです。

 例えば、いきなり私が友人から「1万円貸して」と頼まれればその理由は知りたいですし、相手もわけを説明するでしょう。でも今はまるで「とにかく貸せよ」としか答えてもらえない感覚とでもいうのか。

為政者にとって、様々な意見を生む知性や教養は邪魔

 東京五輪パンデミック(世…

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