難民認めない日本 「東京クルド」監督が映す若者の絶望

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小瀬康太郎
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 夢をかなえるために学校に行きたくても、入学を拒否される。働きたくても認められず、移動すら制限される。

 現代の日本で、そんな風に暮らしている若者たちがいる。

 中東から迫害を逃れてきたクルド人だ。難民認定を申請中で、様々な制約の中で暮らしている。

 そんな彼らの素顔を伝えたいと、5年以上かけて撮ったドキュメンタリー「東京クルド」が10日、公開された。主人公は、撮影開始時、10代だった2人のクルド人の若者だ。

 スリランカ人女性が入管施設で収容中に亡くなる問題が起きたり、出入国管理法の改正案が国会で審議されたりと、入管施設のあり方が議論される中、完成から異例の早さでの公開が決まった。

 「東京クルド」の日向史有(ふみあり)監督(40)は日本映画学校(現・日本映画大学)でドキュメンタリーを学び、2006年に都内の制作会社に就職。紛争下のウクライナの若者や、日本に逃れたシリア人家族を撮影した作品などを発表してきた。

「イスラム国と戦いたい」若者の真意は

 今回の作品の撮影を始めたのは、欧州で「難民危機」が叫ばれた15年。小さいボートにすし詰め状態になって海を渡ったり、長い列を作って何日も歩いたり、中東などから多くの難民が欧州を目指す姿がメディアに取り上げられた。

 日向監督は日本に住む難民の話を聞きたいと思い、支援団体などの取材を始めた。そこで知ったのが、在日クルド人たちで作る「日本クルド文化協会」(埼玉県)だった。

 クルド人は、「国を持たない最大の民族」と呼ばれる。独自の言語や文化を持ち、中東のトルコやイラクシリアなどで暮らす。少数派の各国で差別や弾圧の対象になってきた。同協会によると、迫害を逃れて日本に住むクルド人は埼玉県を中心に約2千人いて、その7割ほどが難民申請をしているという。

 日向監督は協会で話を聞く中で、過激派組織「イスラム国」と戦いたいと話すクルド人の若者たちに出会った。理由は「日本には居場所も希望もないから」という。

 平和なはずのこの国で、何が…

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