常連客の男を殺人罪で起訴 パブ女性店主殺害 大阪地検

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 大阪市北区のカラオケパブで6月、経営者の稲田真優子(まゆこ)さん(25)が殺害された事件で、大阪地検は9日、店の常連客だった会社員の宮本浩志(ひろし)容疑者(56)=兵庫県西宮市=を殺人罪で大阪地裁に起訴し、発表した。認否は明らかにしていない。

 捜査関係者によると、起訴前の取り調べ段階で宮本容疑者は「店には行ったが、やっていない」などと否認を続けていたという。

 起訴状などによると、宮本容疑者は6月11日午後9時半~10時ごろ、北区天神橋4丁目のビル5階のカラオケパブ「ごまちゃん」の店内で、稲田さんの首や胸を刃物で刺したり切りつけたりして殺害したとされる。死因は失血死で、十数カ所の傷が確認された。

 大阪府警は6月18日、宮本容疑者を殺人容疑で逮捕した。捜査関係者によると、府警が逮捕後に押収した宮本容疑者の革靴や洋服を詳しく調べたところ、血痕が付着しており、検出されたDNAの型が稲田さんと一致したという。

 凶器とみられる刃物は見つかっておらず、店内の防犯カメラは取り外され、記録用のSDカードは入っていなかったという。

 宮本容疑者は6月11日午後7時ごろに来店し、最後の客として稲田さんと従業員に見送られ、午後9時ごろに退店したという。ビルの出入り口の防犯カメラに立ち去る姿が映ったのはその約1時間後だった。

 宮本容疑者は約4年前に客として訪れた別の店で従業員だった稲田さんと知り合い、今年1月に稲田さんが開業した店でも常連客になっていた。

 宮本浩志容疑者の起訴を受け、稲田真優子さんの両親が9日、兄の雄介さん(29)を通じて朝日新聞にコメントを寄せた。

 真優子さんは家族思いで、両親の誕生日にはプレゼントと一緒に日頃の感謝の気持ちをしたためた手紙を贈っていた。「いつか親の家を買うねん」が口癖で、自分の店を今年1月にオープンさせて仕事に一層励んでいた。一家にとって「花」のような存在だったという。

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父の峰雄さん(70)

 力の限りで襲ったであろう烈(はげ)しい傷、痛みに堪(こら)えきれず諦めてしまったような眼差(まなざ)し。最期の真優子の姿が今も鮮明に頭に焼きついています。長く掛かるであろう裁判ですが、真優子のためにも長生きして裁判を見届けたいです。

母の由美子さん(64)

 起訴の報を受け、やっと一歩前に進んだと感じました。人一倍真面目な性格で、みんなに優しく気配りができる子で、私たち家族にとっては唯一無二の綺麗(きれい)に咲く花のような存在でした。これから必ず、より幸せに人生を謳歌(おうか)していくと心から思っていましたし、切に願っていました。

 苦悶(くもん)な表情を浮かべ亡くなった無念な真優子の気持ちを思うと言葉になりません。今はもう母親として供養をしてあげることくらいしか出来ません。