首相「危険な通学路にスクールバスも」 八街市長と面会

小手川太朗 笹山大志
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 千葉県八街(やちまた)市でトラックが小学生の列に突っ込み児童5人が死傷した事故を受け、菅義偉首相は9日、首相官邸で同市の北村新司市長と会談し、全国の危険な通学路でスクールバスを導入する検討を始めたことを伝えた。同市長が首相との会談後、記者団に明かした。

 北村市長によると、首相は会談の中で、「全国の子供たちの安全安心のために、危険な通学路についてはスクールバスの構想もありだ」と述べたという。

 事故以降、事故現場を通学路にしている小中学生約20人は、市が用意した臨時バスで通学している。首相は、まずは実証事業として八街市でスクールバスの利用を始める構想を示したという。

 また首相は、歩道の拡張などの対策についても、すでに国土交通省千葉国道事務所に指示をしたと説明。そのうえで「二度とあのような事故が起きないように、歩道を含めた対策を八街市としてとってください」と述べたという。

 この日、交通安全対策を担当する坂本哲志少子化対策担当相は事故現場を訪れ、献花した。坂本氏は記者団に「亡くなられた子どもたちの四十九日にあたるお盆ぐらい、遅くとも8月中に具体的な対策を出したい」と話した。対策は通学路の安全確保と飲酒運転の防止が柱になるという。(小手川太朗、笹山大志)

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    内田良
    (名古屋大学大学院教授=教育社会学)
    2021年7月9日19時58分 投稿
    【解説】

    学校管理下で発生する死亡事故のほとんどは、交通事故とスポーツ事故です。徒歩通学そして自転車通学、いずれにおいても交通事故は命に関わる事態に直結します。 飲酒運転の厳罰化や、ガードレールの設置、毎朝の見守り活動、通学路の点検など、登下校

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    増谷文生
    (朝日新聞論説委員=教育)
    2021年7月9日18時21分 投稿
    【視点】

     危険な通学路は、全国に数え切れないほどあります。たしかに、防犯の意味からも、スクールバスの導入を進めてほしい、という声は以前からありました。  趣旨としては賛同しますが、首相はどこまで具体的に考えているのでしょうか。思い浮かぶのは、「こ

    …続きを読む