無理せず健康の夏にしよう 沖縄大会の熱中症対策は

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 夏の球音が全国に広がってきた。2年ぶりに開催される第103回全国高校野球選手権大会。「今年は甲子園という目標がある」と球児たちは張り切っているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響は今も続いている。

 コロナ感染防止とともに、大事なのが熱中症対策だ。

 緊急事態宣言が続く沖縄の大会は、予定より2週間遅れで3日に開幕した。高校野球情報サイト「バーチャル高校野球」のライブ中継を見ていたら、七回終了後に「給水タイム。両チームともベンチに入って」という関係者の声が聞こえてきた。

 県高野連の中村健理事長に確認すると、「選手と審判委員の熱中症を予防するため、グラウンド整備をする五回終了後に加えて、試合終盤にも水分をとる時間を設けることにした」と教えてくれた。沖縄の県立校は6月に2週間の休校があり、その後は雨天が続いた。練習が不足している状態での開幕となったことに配慮した対策だという。

 熱中症に詳しい中京大スポーツ科学部の松本孝朗教授(医学博士)は「暑さに慣れていない今の時期は要注意」と呼びかける。「試合や練習中に、めまいや頭痛、吐き気が出たら熱疲労と考えなければいけない。意識がもうろうとしていたら、熱射病の危険性がある。場合によっては命に関わる」と警鐘を鳴らす。

 塩分の入ったスポーツドリンクを積極的に飲むほか、アイスパックや氷水で体を冷やすのも熱中症予防に効果がある。そして、自分や仲間の状態を把握することが大切と松本教授は言う。ベンチ内でつけているマスクについては、「大切だけど、苦しくなったら外そう」と訴える。

 各大会を取材していると、控え選手がほとんどいない少人数チームは、一人一人の負担が大きいと感じる。大会本部が補助員を出したり、水分を手渡したりするなどの支援をしてもいいのではないか。相手がいなければ、試合はできない。互いの実力を存分に発揮できる環境を整えたい。

 そして、全国の球児は絶対に無理をしないこと。すべての指導者には無理をさせないことを、肝に銘じて欲しい。熱中症に加えて、練習不足によるけがにも注意しよう。

 この1年、私たちは健康の大切さをかみ締めてきた。コロナ禍で学んだ教訓を生かす夏にしたい。(編集委員・安藤嘉浩