チェルノブイリ原発で増える中性子 核の「燃えさし」か

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香取啓介
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 「史上最悪」と言われる原子力事故を起こしたウクライナチェルノブイリ原発。爆発した4号炉の炉心直下からここ数年、中性子が多く検出されるようになり、緊張が高まっている。炉心に残った核燃料が35年経った今もくすぶり続けているとみられるが、溶け落ちた燃料の現状を把握するのは難しい。解体まで、100年以上かかる見通しだ。

 炉心直下にある「305/2号室」。溶け落ちた核燃料が溶岩のように流れ込んだ部屋で2016年以降、3カ所の検知器が観測する中性子の数が、1・5~2倍に増えた。今年4月、チェルノブイリ原発から約50キロ離れたウクライナ北部スラブチッチで開かれた国際会議でそんなグラフが示された。

チェルノブイリ原発事故

旧ソ連のチェルノブイリ原発で1986年4月26日、テスト運転していた4号炉が暴走して爆発、炉心がむき出しになった。火災が発生して大量の放射性物質が大気中に放出された。放出量は10日間で約520万テラベクレル(テラは1兆)とされ、東京電力福島第一原発事故の約6倍にあたる。ソ連政府は当初、事故を公表しなかったが、欧州に放射性物質が届き、事故が明らかになった。約40万人が避難を強いられ、周囲約30キロ圏などは今も立ち入りが制限されている。

 会議は、原発廃炉方針や事故で汚染された環境をどう回復するのかを話し合うもの。中性子は、燃料内で核分裂が続いていることを示す。ウクライナ科学アカデミーの原発安全問題研究所(ISPNPP)の研究者は「持続的な核の連鎖反応(再臨界)のリスクが残っている」と懸念した。

「まるでバーベキューの燃えさし」

 4号炉が爆発事故を起こした…

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