古代寺院の伽藍配置、高知県内で初特定 南国の野中廃寺

冨田悦央
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 高知県南国市の野中廃寺について、市教育委員会は9日、東に塔、西に金堂がある「法起寺式(ほっきじしき)」に近い伽藍(がらん)配置だったことが発掘調査でわかったと発表した。県内には野中廃寺を含む八つの古代寺院があったと伝えられ、伽藍配置を特定できたのは初めてという。

 住宅開発に伴い、昨年2月から始めた調査で、寺の中心的建物の基礎になる基壇が新たに二つ見つかった。存在が知られていた二つの基壇を含め、計四つの基壇の特徴から野中廃寺の塔、金堂、講堂、中門の配置が明らかになった。金堂の基壇は東西25・5メートル以上、南北18メートル以上で、塔の基壇は12メートル四方のほぼ正方形だった。

 これまで野中廃寺は、8世紀末以降の平安時代の建立とされてきたが、出土した土器から7世紀後半の白鳳期に創建されたことが判明。寺の南西約500メートルにある若宮ノ東遺跡で7世紀後半に建てられた役所と見られる建物跡が見つかっていることから、市教委の文化財係の油利崇(ゆりたかし)さんは「野中廃寺と若宮ノ東遺跡の双方に、中央政権とつながりのある土佐の有力者が関わっていたと想定できる」と話している。

 また、塔や金堂の北側に見つかった講堂の基壇の東側に、規則正しく並ぶ柱穴も確認された。僧侶などが暮らした僧坊跡(南北19・8メートル、東西6・3メートル)と見られる。

 市教委は11日午前11時から同市元町1丁目の発掘調査地(長岡西部保育所の南西約20メートル)で現地説明会を実施する。小雨決行。(冨田悦央)