156球、攻めの投球貫く 昨夏準優勝校に延長戦で敗退

小川直樹
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 長崎大会は9日、雨天で2球場5試合が順延となった。唯一試合のあった佐世保市総合グラウンドでは、諫早との今大会初の延長戦を制した鹿町工と、13安打の猛攻で佐世保西にコールド勝ちした長崎北陽台が、いずれも2回戦に駒を進めた。9日は3球場で計7試合が行われる予定。

(9日、高校野球長崎大会 諫早2-3鹿町工)

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 今大会初の延長戦となった十一回裏、鹿町工の先頭打者にいきなり二塁打を浴びた。諫早の内野手陣はエースの田賀農悠太君(3年)のもとに集まった。「守りに入るな。攻めていこう」と声を掛け合った。

 諫早は一回に先制を許すも六回に勝ち越し。七回に再び追いつかれてからは膠着(こうちゃく)状態が続いていた。

 先発した田賀農君は、昨夏の県独自大会で準優勝した相手に二ケタ安打を浴びながらも、要所は抑えていた。いつもなら五、六回で継投するが、この日は球数が140を超えて球威が確実に落ち始めていた。

 「自分たちの流れで来ている。まだまだ終われない」。昨秋以来のエースナンバーを任された田賀農君はなおも奮起。2死満塁まで押し込まれながらも、何とか後続を断った。

 156球を投げて後を山口優太君(同)に託した。十二回、押し出し死球でサヨナラ負けが決まると、一塁を守っていた田賀農君が駆け寄った。マウンドで顔を腕で覆う山口君の肩を抱き、言葉を掛けた。「厳しい場面で投げてくれてありがとう」

 田中秀和監督は試合後、田賀農君をねぎらった。「本来の力を出して、よく投げてくれた」。田賀農君も球場を出ると、晴れやかな表情を見せた。「最後にふさわしい、良いゲームになりました」(小川直樹)