夏風に音色涼やか 伊万里「秘窯の里」に磁器の風鈴

長沢幹城
【動画】夏の風物詩、焼き物の風鈴 涼しげな音色奏でる=長沢幹城撮影
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 レンガ造りの煙突が立ち並び、30の窯元が軒を連ねる狭い坂道を歩くと、軒先の風鈴が、夏の風に揺れて涼しげな音色を奏でていた。

 三方を山に囲まれた佐賀県伊万里市の大川内山地区。「秘窯(ひよう)の里」と親しまれている磁器の産地だ。毎年夏に「風鈴まつり」を開いている。

 昨年と今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のためイベントは中止したが、通り沿いの軒先や店内に風鈴が下がり、一帯が涼しげな音色に包まれる情景は、まつりが始まった2004年から変わらない。まつりの期間中には20軒の窯元が約千個の風鈴を用意するという。

 伊万里鍋島焼協同組合の原貴信さんによると、この地には1675年から1871年の廃藩置県まで鍋島藩の御用窯が置かれ、焼き物の技術の流出を防ぎ、朝廷や将軍家などに献上する高品位の磁器が作られていた。

 原さんは「伊万里焼は1300度の高温で焼くので強度があり、ガラス製の風鈴のような透き通った高音が出ます。焼き物なのでひとつひとつ違う音色なのも魅力です」と話していた。

 まつりは8月31日まで。問い合わせは同組合(0955・23・7293)へ。(長沢幹城)