中国外相「自主性を」 EU側に米と距離置くよう求める

北京=高田正幸
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 中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相は8日、欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表とオンライン会談した。王氏は「欧州が戦略の自主性を高め、自らの意思で対中関係を発展させていくことを支持する」と語り、人権や民主主義をめぐる問題で対中批判を強める米国と距離を置くようEU側に求めた。

 中国外務省によると、王氏は「中欧間に大きな利害の衝突はなく、地政学的問題もない」と強調。途上国へのワクチン支援や自然環境保護、デジタル分野などで協調を進めていくべきだと訴えた。

 中国の人権問題をめぐり、EUと中国は3月、互いに制裁を科して関係にひびが入った。習近平(シーチンピン)国家主席は今月5日、フランスドイツ両首脳とオンラインで、7日にはチェコ、ギリシャの両首脳と電話で会談し、経済協力の拡大を呼びかけて関係修復をはかっている。

 ただ、王氏は8日のボレル氏との会談で「国際秩序は、『家訓』や『仲間内のルール』を他人に強要することではない」と発言。新疆ウイグル自治区や香港の問題について「『教師づら』には反対する」とも語り、重要問題で譲歩するつもりがないことも強調した。

 EU側の説明によると、EUと中国が制裁をかけあっていることについて、両氏は「率直な意見交換」をし、ボレル氏は香港や新疆ウイグル自治区の状況についての懸念を強く指摘した。一方で、中国との関係の重要性や、対話のチャンネルを維持し続ける必要性も表明したという。(北京=高田正幸)