打席忘れた阪神秋山 天王山初戦、極限の集中力でG封じ

KANSAI

伊藤雅哉
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 (9日、プロ野球 阪神タイガース4―1読売ジャイアンツ)

 大事な3連戦の初戦を託された阪神の秋山拓巳は、自分の投球に集中しきっていた。それを象徴したのが五回1死一塁で打席が回ってきた場面だ。

 ベンチから出てこず、審判が促してもなかなか姿を見せなかった。「気持ちが六回(の投球)に向かっていて攻撃のことを忘れていました」。その打席では1球で犠打を決め、近本光司の適時打につなげた。

 真っすぐが打者の手元で伸びた。5奪三振のうち四つが見逃し三振。そのうち三つの決め球が真っすぐだ。四回2死では巨人の4番岡本和真に対し、外角低め141キロでバットを出させなかった。140キロ前後でも球持ちがよく、球速以上に見える本来の球筋だった。

 屈辱が30歳に火をつけた。4日の広島戦は3回2失点、わずか46球で降板させられた。この日とは対照的に、四回の打席に備えて打撃用手袋をつけて準備していたところで代打を告げられた。

 「意地を見せようぜ」。福原忍投手コーチからそう言われた。中4日と普段より調整期間は短かったが「がむしゃらに過ごした」。体全体を使う意識が強すぎて腕が振れていなかったことに気づき、フォームを微修正して臨んだ。

 運も味方にした。七回は連打で無死二、三塁のピンチを招いたが、突如の豪雨で降雨コールドに。「後がないとかじゃなくて、とにかく意地を見せたろうと。勝てて良かったです」

 2位巨人との前半戦最後の天王山。ゲーム差を3・5に広げた。伊藤雅哉

 矢野監督(神) 秋山の投球に「ボールに気持ちが乗っていた」と評価。降雨コールドで岩崎、スアレスら救援陣を使わずに勝ち「明日につながる。運も味方についてくれた」。

 糸原(神) 三回、2点目を奪う貴重な適時打。「絶対打ってやろうという気持ちで打ちました。首位攻防戦で気持ちも入っていた」

 近本(神) 五回に適時打。「前回の(6月18~20日の)巨人戦は2、3戦目に負けてしまっている。明日また集中して一丸となって戦っていきたい」

 マルテ(神) 六回、2試合連発となる特大のソロ。「巨人が相手とかではなく、自分自身は全力でプレーすることしか考えていない。楽しんでプレーしていきたいなと思う」

 原監督(巨) 降雨コールド負けに「まぁ、致し方ないところでしょうな」。大事な初戦を落としたが、「それほど悲観的に考える必要はないよ」。

 戸郷(巨) 中12日と登板間隔を開けて臨んだが、4失点。「粘れなかったのが一番の敗因です。次の登板までの期間で良い調整ができるようにしたい」

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