池も水辺もないのになぜ? カエルが小学校で大量産卵

梶山天
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 池や水辺のない栃木県日光市鬼怒川小学校の校庭の一角で、ここ数年、モリアオガエルの産卵が相次いでいる。そのまま放置すると、孵化(ふか)しても成長できないため、昨年から児童たちが卵を採取して水槽で育てる取り組みを始めた。

 6日朝、小1の娘の登校に付き添った母親が校内でモリアオガエルの産卵に遭遇した。校舎のコンクリート壁に白い泡に包まれた卵塊を産み付けていた。母親はスマホで撮影し、学校に知らせたという。

 保護活動の指導をする大島由子養護教諭(60)によると、高さ約5メートルのムクロジの枝にも卵塊が見つかった。校内で今年採取した卵塊は10個に上るという。

 採取した卵塊は水を張った水槽の上部にかけた網の上に置く。1週間ほどすると、卵から孵化したオタマジャクシが網目から水槽内に落ちて泳ぎ出す。2年と3年の日直当番が朝と下校時にエサをやり、児童全員で観察して記録を付けているという。成長する姿を眺めてきた2年の沼尾武留(たける)さんは「感動しました」。

 新米の森田拓実教諭(22)は「自然に恵まれた学校だからこそ、こうした体験学習ができる。素晴らしい授業」と話す。今年は鬼怒川小の活動を見て興味を持った日光市や塩谷町の小学校に卵塊を贈る取り組みも始めたという。

 県立博物館の林光武学芸部長は「アスファルトの地面などに産卵することは雨が続いた時などにたまに起こる。カエルは水面に反射する光を見て水場と認識する。ぬれた道路を水場と錯覚して産卵したのだろう。小学校近くにまだ知られていない水場があるのかもしれません」と解説した。(梶山天)