競技は好対照 でも、野中生萌と阿部一二三の思いは同じ

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構成・吉永岳央、波戸健一
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 初めて挑む大舞台で輝きたい――。同じ思いを抱く同学年の2人がオンラインで語り合った。柔道男子66キロ級の阿部一二三(ひふみ)(23)と、スポーツクライミング女子の野中生萌(みほう)(24)。日本の伝統競技と新競技の代表として五輪を迎える心の内とは。

 〈柔道は1964年、スポーツクライミングは2021年。どちらも東京大会が五輪競技としての第一歩になる〉

 阿部 夢、目標である舞台で、絶対に金メダルを獲得するという気持ちでいます。世間的には「柔道って金メダルを取って当たり前」と言われているのかなと。日本発祥なので、「必ず金メダルを取らないといけない」という気持ちです。

 野中 柔道の世界にいる人の前で言うのもアレですけど、当初は「五輪なんて」というのが正直な気持ちでした。メダルを取ることの重要性は全く感じていなかったです。でも、クライミングの認知度が圧倒的に変わって、五輪がどれだけ大きいものなのか、すごいものなのか感じ始めて、1年ごとにどんどん気持ちが高まって、2年前くらいで心境はガラッと変わりましたね。

 〈東京五輪の延期後、2人は五輪代表の座を決められない時間が続いた。阿部は昨年末に24分間におよぶ壮絶な代表決定戦を制してようやく切符を手に。野中は、日本山岳・スポーツクライミング協会の不手際でスポーツ仲裁裁判所(CAS)の判断を1年以上も待った〉

 野中 完全に参りました。「何してくれてんだよ」って気持ち。ただ、できることは何もなくて、待つしかなかった。練習に気持ちが入りきらない日もあったけど、自分がコントロールできない範囲をいくら考えても何も変わらない。練習で120%頑張るだけ。そう考えて、過ごしていました。

 阿部 僕は逆に、決定戦があると決まっていた。気持ちは切れなかったですね。逆に気持ちが入っていた感じです。24分間の試合をして、より五輪で金メダルというか、自分自身が優勝するって気持ちは強くなりました。

 野中 選考のされ方には複雑な気持ちがありました。しっかりと戦って勝った感じがなくて。同じ期間、つらい思いをしていた選手もいるので、決まった後もスッキリしない感じが正直あって……。ただ、お互いに頑張ってきた選手の気持ちはちゃんと五輪に持っていって、その人たちの分まで頑張りたいなって思いましたね。

 〈以前から顔見知りの2人。野中が、聞いてみたかったことをぶつけた〉

「最高に輝こう」「ぶちかませー!!!」 こんな言葉が飛び交った対談は佳境へ。紙面では7月13日付の朝刊に掲載します。

 野中 いつもニュースを見て…

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