仲間から説得、半年ぶりに野球部へ 粘った最後の打席

滝口信之
[PR]

(9日、高校野球福島大会 光南13-0清陵情報)

 13点差とリードを広げられた七回裏無死一塁。清陵情報の4番、小檜山海音(かい)(3年)が打席へ。「この打席が最後かも……。絶対に打ってやる」。ファウルで粘るも、最後は直球の前に空振り三振に倒れた。

 小学4年生から野球を始めた。高校入学後は迷ったが、「野球が好きだから」と野球部へ。同学年は吉田伊吹、石附愛翔(いしづきあいと)の2人だけだった。練習のほか、食事や遊ぶ時などいつも2人と一緒だった。

 しかし昨春、家庭の都合で野球部を休部せざるを得なくなった。チームは部員不足で、昨秋の県大会支部予選は連合チームで出場した。吉田と石附に説得され、半年ぶりにチームに戻った。

 休部中、体力維持のためランニングは続けていたが、野球の練習はしていなかった。全体練習後、毎日30分以上、自主練習を繰り返し、吉田と石附も付き合ってくれた。

 「2人に恩返しを」と臨んだこの日。3打数無安打と結果を残せなかったが、試合後、「悔いはないです」と一言。共に歩んだ吉田、石附について尋ねられると、「感謝しかないです」。涙を止めることができなかった。(滝口信之)