成績より成長示せた右腕エース 早い夏の終わりの先に

木村浩之
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(9日、高校野球西東京大会 聖パウロ学園4-0聖徳学園)

 早い夏の終わり。でも、聖徳学園の石井律基投手(3年)にとって、手応えを感じられた夏だった。

 あの日、チームは変わった。4月中旬の練習試合。主将の星村一宇(同)が本塁打を放った。低めの直球。以前なら力が入り飛球で凡退だったが、コンパクトな振りで芯に当てた。バットの無駄な軌道を省き、打つ瞬間に力を集中させる。中里英亮監督の「力を出せる自分なりの軌道を見つけろ」という教えが、結果につながった。

 以来、チームは会議を増やし、打者も投手も、自分に合ったスイングや腕の振りを見つけようと努めた。

 石井も意識が変わった。シャドーピッチング用の棒を右手に持ち、学校では100回以上、帰宅後も50回以上、腕を振り続けた。一番力を出せる自分の投げ方を探し、球速は140キロ近くまで上がってきた。

 この日の試合、威力のある直球と縦のカーブで8回3失点。失策が絡んでの失点もあり、中里監督は「よく投げた」。

 昨夏の独自大会は絶対的エースと呼ばれる先輩がいて、32強入り。「今年は弱い」と言われ続けた。昨年以上の成績をめざしたが、成長は見せられた。

 昨夏のエースは大学野球で活躍中という。「自分も次の舞台で頑張る。そして、先輩を越える」。夏の終わりは、始まりだった。=スリーボンド八王子(木村浩之)