先駆者のすごみ 卓球・松下浩二さん、柳田将洋への激励

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構成・木村健一
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 バレーボール日本代表前主将の柳田将洋(29、サントリー)の今回の対談相手は、日本人初のプロ卓球選手で、Tリーグ初代チェアマンも務めた卓球用品メーカー社長の松下浩二さん(53)。ともにドイツの小さな町のチームでプレーした経験がある。現地のクラブのあり方から、プロリーグの立ち上げ方にまで、話は広がった。

 松下 4シーズンほどプレーしたドイツは当時、世界一のリーグでした。世界ランキング50位以内の選手の半分が所属していました。僕は30位くらい。最初はシュツットガルトの近くの小さな町にある2部のチームでした。卓球をやっていない人も、おらが町のチームを応援しにきてくれる。ファンとの距離がすごく近く、とてもいいなと思い、日本にも作りたいと夢を抱きました。厳しさもありました。日本人にありがちな、負けても全力を出せばいい、といった言葉はない。どんな格好でもいいから、勝つことが一番。試合前のミーティングでは、負けるとスポンサーが逃げて、お前らの給料は払えないとプレッシャーをかけられました。

 柳田 バレーも似ているところがあります。プロ1年目は、ドイツのビュールという小さな町の小さなクラブにいました。地元のおじいちゃんやおばあちゃんがいつも話しかけてくれて、アットホームでした。2季目のポーランドは外国人枠が3、4人で、ドイツよりレベルが高い。来季の契約をどう勝ち取るかのせめぎ合い。コートでは仲間は常にライバル。誰も助けてくれない。サントリーの社員だった2年間とは違う刺激がありました。自分で考える力がつきました。

 〈松下さんは現役時代に大学院でスポーツビジネスを学んだ〉

 松下 卓球のプロリーグを研究するため、早大大学院へ行きました。人脈が広がり、厳しい先生から教われた。修士論文では日本の実業団とドイツブンデスリーガ、中国の超級リーグを比較し、日本ではどのようなリーグがふさわしいのかを考えました。ドイツは地域密着型で、300~400社のスポンサーを集めるクラブもある。中国は日本のプロ野球に近く、スポンサー1社がバーンと金を出して運営する。日本は、サッカー型の地域密着クラブと、大型スポンサーがお金を出すプロ野球型を混在させていい、というのが結論です。

 Tリーグには日本生命のような企業チームもあるし、沖縄や岡山、埼玉のように地域密着型クラブもあります。地域密着型は、自分たちが生きていくために必死なので、スポンサーをたくさん集めて、ファンの広がりが多くなります。

卓球のプロリーグ実現に突き進んだ先達の言葉に、柳田将洋は大いに刺激を受けたようです。対談の模様は、紙面では7月11日付の朝刊で紹介します。こちらの連載シリーズ「自分らしく 柳田将洋の挑戦」は今後も月に一度、朝日新聞紙上と朝日新聞デジタルでお届けする予定です。

 柳田 バレーのプロ化につい…

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連載自分らしく 柳田将洋の挑戦

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