中国企業の国外上場、政府審査を義務化 データ流出懸念

北京=西山明宏
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 中国政府の国家インターネット情報弁公室は10日、中国企業が国外で上場する際、利用者100万人分以上の個人情報を持つ場合は必ず政府の審査を受けなければならないとする方針を明らかにした。対立する米国での中国企業の上場が増える中、国内のデータが米国側に渡らないよう対策を強化する狙いがある。中国では100万人以上の利用者を持つネットサービスは多く、影響は広範囲に広がりそうだ。

 同弁公室が同日、インターネットの安全審査の方針を定める法律の改正案を発表した。アカウント100万人分以上の個人情報を持つ中国企業が国外で上場する場合、政府による安全審査を受けるよう義務づける。その際、審査では重要なデータや大量の個人情報が外国政府にコントロールされたり、悪用されたりするリスクがないかなどをチェックするという。

 対策強化のきっかけとなったのは、配車アプリ大手の滴滴出行(ディディチューシン)が6月末に米国で上場したことだ。中国政府関係者によると、規制当局が個人情報や地理データなど国家安全に関わる重要なデータが米国に流出してしまうことを警戒し、上場を遅らすよう求めていたという。

 同弁公室は2日に国家安全上の問題があるとして、滴滴の審査を開始。国務院などは6日、国外で上場する中国企業の規制を強めると明らかにしていた。米国で上場する中国企業は年々増えてきたが、規制強化によって今後の上場数が減ることは必至だ。

 滴滴への締め付けもさらに強まっている。同弁公室は4日に配車アプリの新規ダウンロードを停止させたほか、9日には同社が運営する他の25個のアプリもアプリストアから削除させた。(北京=西山明宏)