九州大雨、なぜ予測と違った? 気象台は北予想も南に

棚橋咲月
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 九州南部を中心とした10日未明からの大雨は、数十年に1度の深刻な災害が想定される「大雨特別警報」が鹿児島、宮崎、熊本の3県に発表されるなど、記録的な雨量となった。ただ、気象庁は前日、九州南部よりも北部で激しく降ると予測していた。10日の記者会見で担当者は「予測とずれがあった」と話した。

 気象庁によると、梅雨前線は10日、対馬海峡付近から本州に延びてほぼ停滞した。前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大雨をもたらした。

 10日夕までの24時間降水量の予想は長崎200ミリに対し、鹿児島100ミリだった。だが実際には、鹿児島県さつま町で10日午後0時40分までの24時間降水量が観測史上最大の473ミリを記録するなど、九州南部で強い雨に見舞われた。

 福岡管区気象台の中辻剛・気象防災部長は10日の緊急記者会見で、前線自体は予想通り対馬海峡付近にあるとした上で、「ほんの少し、我々が予測していた(雨が降る)領域が南にずれた」と説明した。

 なぜ、ずれが生じたのか。気象庁は「今後調査が必要」としながらも、考えられる要因を挙げた。例えば、太平洋高気圧の北への張り出しが弱いと、梅雨前線が押し上げられずに南下する。暖かく湿った空気が想定より多く流入すれば、降水量や範囲も変わる。観測技術が進歩しているとはいえ、正確に予測するのは「今の技術では困難」(気象庁)という。

 気象庁は11日まで大雨が予想されるとして、最新の気象情報に注意するよう呼びかけている。(棚橋咲月)