去ったボスの言葉が自信に マリノスの苦労人が貫く献身

岩佐友
[PR]

(10日、J1=横浜F・マリノス2―0アビスパ福岡)

 労を惜しまない動きがゴールを生んだ。

 前半28分、右サイドでボールを持った横浜F・マリノスのDF小池龍太だ。

 FWエウベルに縦パスを入れると、ダッシュでその外側を追い抜いた。相手を引きつけたところでエウベルがクロス。FWオナイウ阿道が追加点を決めた。

 「エウベルとはフィーリングが合う。全力でサポートしたい」。語っていた通りの小池のプレーだった。

 献身的なスタイルは苦労の中で育まれた。高校卒業時にはプロからの誘いがなく、2014年、当時JFLだったJ2レノファ山口に入団。最初はサッカースクールのコーチとの掛け持ちだった。昇格とともにJ3、J2を経験。そして17年、J1柏レイソルへ。

 順調にステップアップした中、19年に移籍したベルギー2部ロケレンで、まさかの事態が起きた。クラブが破産。1年で海外挑戦を終え、昨季横浜マに加入した。

 「この経験もプラスに」。

 そう切り替えて臨んだが、同じポジションには3月に日本代表に選ばれたDF松原健がおり、定位置を確保するまでには至らなかった。

 それでも出場すれば、豊富な運動量で貢献。6月に去ったポステコグルー前監督からは最後にこう声をかけられた。「プレーしている時も、していない時も常に準備をしていた。そこを評価していた」

 小池はその言葉が「自信になった」と語る。

 6試合連続のフル出場となったこの日はチーム1位の12・659キロを走った。

 座右の銘は「頑張る時はいつも今」。

 全身全霊をかける25歳。ふと気づけば、フル出場したここ6試合、全てチームは勝っている。(岩佐友)