大阪府の吉村洋文知事は7日、定例会見で新型コロナウイルス感染症の後遺症について相談窓口を新たに設置することを発表した。 「コロナ治療を終えて後遺症に悩む府民から24時間相談を受けつける」
背景には、患者が増えるにつれ、感染から時間がたっても倦怠(けんたい)感(だるさ)や脱毛、味覚障害などの症状を訴える人が増えていることがある。
新型コロナの感染拡大で多くの感染者が出た大阪では、後遺症を診るようになった医療機関が相次いでいる。
堺市中区にある邦和病院は4月初め、後遺症外来を始めた。開設したことは、ほぼインターネットだけでしか知らせていないが、府内外から比較的若い世代を中心に患者が訪れるようになった。
きっかけは昨年、骨折で入院した患者が感染していたことから院内に感染が広がり、急きょ軽症から重症までの患者のコロナ治療に携わることになったことだ。ほとんどは回復したが、亡くなる人もいた。回復後も症状を訴える患者がいたため、後遺症外来を開くことを決めた。
診療を担当する和田邦雄院長(救急専門医)に、患者の特徴や治療について聞いた。
周囲に理解されにくい後遺症 自覚ない場合も
――外来にはどんな人が
市内や近隣の自治体だけでなく、和歌山や奈良、兵庫など、府外からも来る。まだこうした外来が少ないからかと思う。コロナの症状自体は軽症だった人が多い。これまでに130人を診療し、8割ほどの人では症状に改善がみられている。
――後遺症はどんな症状が出るのか
全身の症状だが、人によって違う。呼吸困難、疲れやすい、あるいは味覚・嗅覚(きゅうかく)障害。それがいくつか重なっている。例えば味覚障害なら、従来のインフルエンザでもそういう症状がでることがあるが、インフルエンザが治ればすぐ消える。コロナは症状が顕著で、何カ月も長引く。
――治療はどのように…

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