取り残された南極の海、湖底に隠れる地球の過去を探れ

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中山由美
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 ヘリコプターの窓の外、夏の日差しに輝く純白の世界がまぶしい。2020年1月8日、昭和基地から南へ約30キロ、南極大陸沿岸のラングホブデへ向かった。

 氷海の向こうに白くなだらかな大陸の斜面が続く。その沿岸に雪がつかない赤茶けた岩場が広がる。入り組んだ地形の中、おたまじゃくしのような形の「ぬるめ池」がある。氷はとけて青い湖面が見える。近くにヘリが着陸すると、数日前に現地入りしていた隊員たちが迎えてくれた。

 「やっと本番が来たぞ」と気持ちが高まる。南極の湖や海の底にたまった泥を掘り出し、過去の気候や環境を探る――。

7月21日 南極記者サロン 

 美しさと不思議あふれる南極と世界の空。オンラインイベント「南極から地球がみえる」で空の探検家と南極記者がご案内します。7月21日午後4時から、参加無料。サイト(https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11005015別ウインドウで開きます)またはQRコードからお申し込みください。

 準備は何年も前から始まっていた。1年前は北海道の凍った屈斜路湖で、夏には静岡の海で訓練し、試行錯誤の中で、新しい道具や仕組みを開発してきた。ゴムボートを三つ連結して湖に浮かべ、中央から筒を水中へのばし、湖底へ押し込む作戦だ。作業は6人、頼るは人力。組み立てて持ち運べることも重要だ。

 翌9日、強風で作業は無理だ…

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