集大成は近い 目に焼き付けたい名古屋場所の白鵬の土俵

竹園隆浩
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 大相撲名古屋場所8日目の11日、進退をかける横綱白鵬は8連勝で勝ち越した。

 横綱審議委員会から異例の「注意」を受け、新型コロナウイルスへの感染や持病の右ひざ手術などで6場所連続休場した白鵬が、前半戦を無傷で折り返した。

 初顔の琴恵光に、張り差しから今場所初めて立ち合いで踏み込んだ。両まわしを引き、相手が巻き替えにきたところを定石通り、一気に出る快勝だった。

 土の感触を確かめるようにしこを踏んだ初日と比べ、調子はかなり上向いている。ただし、この日も右四つ同士なのにわざわざ左四つで捕まえた。軸足を、痛めた右ではなく左にする作戦は徹底している。

 中日の勝ち越しは歴代最多の51回目。新横綱だった2007年名古屋場所後は49回もある。うち、大関時代を含めて優勝34度。「6月はじめの状態からしてみれば、想像はできなかったけど。一つは(関門を)クリアしたのかな」とご機嫌で話した。

 ここまで経験と技で乗り切った。なかなか踏み込めず、後ろに付かれたり、相手十分に組まれたりしたが、引き足の速さや上手を切ってしのいだ。「白星がいい薬になる」と話していた通りの展開だ。

 勝負の後半戦は綱とりを目指す照ノ富士との一騎打ちになりそう。今場所は後に白鵬を語る時には、必ず出てくる思い出の土俵になるはずだ。集大成が近いことは隠せない。一番ごと取組で見せる大横綱のプライドを、しっかり目に焼き付けておきたい。(竹園隆浩)