風力計画地でタンチョウひなスクスク 日本西端の繁殖地

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小坪遊
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 北海道で大阪ガスのグループ企業が進める風力発電所の計画地内で、国の特別天然記念物タンチョウの繁殖が確認された。貴重な繁殖地を守るべきだとして、日本野鳥の会などが計画の中止を求めている。

 日本野鳥の会によると、繁殖が確認されたのは、北海道苫小牧市からむかわ町にかけて広がる湿地の一角。地元の一般社団法人「タンチョウ研究所」と「ネイチャー研究会inむかわ」の調査班が、抱卵やひなの世話をするタンチョウの様子を空撮した。ドローンを使い、十分に離れた距離から撮ったという。

 現場は、大阪ガスの子会社が大型の風車10基程度を建てる「苫東厚真風力発電事業」の計画地にあたる。大阪ガスによると、法令に基づく自然保護地域などには指定されておらず、2026年5月にも施設の稼働を目指しているという。

 一時絶滅したと考えられていたタンチョウは、保護活動で数が回復しつつある。道内には、世界全体の半数を超える約1800羽がすむとみられる。生息地は道東部が中心で、今回の繁殖地は道内での分布の西端の一つ。今年4月に見つけたペアを見守っていたところ2羽が孵化(ふか)し、子育てが続いているという。

 日本野鳥の会の田尻浩伸・自然保護室長は「多くの人が100年かけて復活させてきた鳥が分布を広げる最前線という価値をきちんと考えてほしい」と話す。

 大阪ガス側は、取材に対し、「今後の調査などで科学的知見に基づき影響を評価していく」「地元の理解を得られるよう丁寧に説明させていただく」と回答。国は再生エネルギー拡大などで、50年に温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す。同社も「風力発電を含めた再エネ電源の開発や運営に取り組んでいる」とした。

 計画については昨年8月、環…

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