妻か夫、一方が名字を我慢するのはなぜ 菊間千乃さん×牧野紗弥さん

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聞き手・田渕紫織
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 今年、雑誌「VERY」誌上で夫婦別姓を選ぶことを公表して注目を集めたモデルの牧野紗弥さんと、弁護士で元フジテレビアナウンサーの菊間千乃さん。選択的夫婦別姓を望む2人が、夫婦の名字をめぐる社会の意識や空気について語りました。

――菊間さんも牧野さんも、「別姓の話は飲み友達やママ友とはしづらい」と話されていました。なんでこんなに名字の問題って話題にしにくいんでしょうか。

 菊間 なんででしょうね。

 牧野 日本では、自分の思いに気づいて言葉をあてはめて発言するという「言語化」の教育を受けていないということはあるかもしれません。

 それをしないとどこですれ違っているかもわからなくて意見のすりあわせもできないと思いますが……。

 菊間 言語化は大事だけどすごく難しいから、なんかちょっと置いといてということになるんでしょうね。

――今の日本では法律婚をした場合、夫の名字か妻の名字を選びます。そういう意味では、すでに二つの選択があってある意味「平等」だという意見もあります。

 牧野 いま、厚生労働省の調べでは、日本では法律婚をしているカップルの96%が、女性のほうが名字を変えていますよね。

 これは当たり前じゃないのに当たり前ととらえてしまいがちな現状があります。それぞれの夫婦が自分たちらしくアレンジするにはどうすればいいか、考えることが大事だと思います。

 菊間 96%の女性が氏(名字)を変えているけれども、その裏を見ると4%の男性も氏を変えているわけですよね。

 つまり日本の法律婚をしているあらゆる夫婦のどちらか一人が、氏を変えているわけですよ。

 何とも思わずに「いいよ」と変えている人ももちろんいるかもしれない。でも、名前なしで私が私ですっていうことを相手に伝えるのってすごく大変です。それだけ名前には大きな力があり、アイデンティティーそのもの。その「人格的利益」を夫婦のどちらかが失わなきゃいけない。

 それをどちらが失うの?というのを、全ての日本中の夫婦が選んでやっているわけですよ。

 ということはつまり、96%ということじゃなくて、私は100%っていうことだと思う。

――女性の方が名字を変えている割合が仮に96%でなくて50%だとしても、合計が「100%」であることに変わりはないということでしょうか。

 菊間 はい。絶対にどちらかがどちらかに寄せるわけだから、夫婦の仲が平等じゃなくなりますよね。

記事の後半では、対談の全編動画もご覧になれます。

 寄せられた方が「寄せてくれ…

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