SDGs達成に影響も 世界の飢餓人口、コロナ禍で増加
国連世界食糧計画(WFP)などは12日、世界人口の1割にあたる最大8億1100万人が飢餓に苦しんでいるとする報告書を発表した。コロナ禍の影響が考えられるといい、このままでは「2030年までに飢餓をゼロに」を目指すSDGs(持続可能な開発目標)が達成できないとしている。
報告書はWFPや国連食糧農業機関など5機関が「世界の食料安全保障と栄養の現状」として共同でまとめた。新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)が始まって以来、初の世界的な報告書だという。
報告書によると、20年の飢餓人口は7億2千万人~8億1100万人で、19年の6億5千万人に比べ大幅に増加。全人口に占める割合は、8・4%(19年)から9・9%に上がった。地域別では、アジア(4億1800万人)が最も多く、アフリカ(2億8200万人)が続く。
報告書は、「パンデミックが、世界中の人々の命と生活を脅かす、食料システムの弱点を露呈し続けている」と指摘。以前から続く、紛争や異常気象などによる飢餓の改善状況にも遅れがみられるという。この状況が続くと、30年には約6億6千万人が飢餓状態だと推計し、SDGsが達成できないと指摘している。(鈴木友里子)
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