着物の柄支える「伊勢型紙」の伝承は 京都で研究会

福野聡子
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 精緻(せいち)な美しさで知られる型染めの着物。布地を染めるのに欠かせないのが、三重県鈴鹿市の「伊勢型紙」だ。その伝承などについて考える研究会「型紙と型染(かたぞめ)」が3、4日、京都市左京区泉屋博古館であった。

 伊勢型紙は、和紙数枚を柿渋で貼りあわせた「地紙(じがみ)」に彫刻刀で柄や文様を彫ったもの。江戸時代紀州藩の保護の下、全国で染色に使われ、和装文化を支えてきた。1955年には国の重要無形文化財に指定され、重要無形文化財保持者(人間国宝)に6人が認定された。ただ、着物自体の需要が減り、後継者不足が課題となっている。

 3日には座談会が行われ、伊勢型紙技術保存会の内田勲会長や、染色家の松原伸生さん(長板中形(ながいたちゅうがた))、文化庁の生田ゆき・文化財調査官らが参加。保存会会員へのインタビュー映像があり、従来の美濃和紙だけでなく越前和紙の技術者にも和紙作りを依頼したり、離職した職人の道具を集めたりして材料・道具の維持・向上を模索する現状が報告された。また、文化庁の補助で後継者を育成しているが、仕事不足が壁という声もあった。

 同館の「ゆかた 浴衣 YUKATA」展(19日まで)の関連イベントで、東京文化財研究所との共催。同研究所「無形文化遺産『伝統技術』の伝承に関する研究会」の一環で、報告書の刊行を予定している。(福野聡子)