目力3倍を体験 臆病な自分にサヨナラのASメイク

河崎優子
【動画】アーティスティックスイミング(AS)のメイクを記者が体験=諫山卓弥撮影
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 水上での芸術性や表現力で競うアーティスティックスイミング。リオデジャネイロ五輪まではシンクロナイズド・スイミングと呼ばれた競技は、個性的なメイクでもおなじみだ。東京オリンピック(五輪)で日本代表がまとうメイクを6月中旬、記者が体験した。

 メイクをしてくれたのは、選手らに指導を行っているコーセーのメイクアップアーティスト、石井勲さん(44)。柔らかい語り口で、メイクの狙いを解説してくれた。

 空手をテーマにした演技に合わせたデザイン。力強さや勢いを表現するため、赤いアイシャドーを塗り、そのキワに白のアイライン、目のキワに黒のアイラインを入れ、コントラストを生かすという。水着の赤色に合わせ、水着ともシンクロさせると聞き、「そこまで計算しているのか」と驚いた。

 約30分後、メイクが仕上がった。恐る恐る手鏡をのぞくと、普段の3倍くらい目力がある自分がいた。思わず笑うと、真っ赤に染まった口元が強調され、さらに迫力がある顔に。審査員席からプールまで、約25メートル離れて見たときに映えるメイクなので、20センチほどの距離で見る自分の顔は、どぎつかった。

 石井さんは、1990年代後半に渋谷の女子高生らの間で広がった「ヤマンバメイク」を引き合いに出した。「彼女らが派手なメイクをするのは、自分が自分じゃないみたいで自信が持てるから。それと近しいものがあるかも」

 確かに、メイクを施されると別人になった気分。おかげで、メイク姿のまま堂々と街を歩くことができた。選手たちが「メイクをすると戦闘スイッチが入る」と話すのにもうなずけた。

 今回使ったメイク道具は全て市販。普段の臆病な自分を変えるため、「私も化粧でスイッチを入れよう」と、ドラッグストアで青色のアイライナーを買って帰った。(河崎優子)