津波被害のパトカー、駅改札 アーカイブ施設開館 富岡

長屋護
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 【福島】住民を避難誘導中に津波にのまれたパトカー、さまざまな時刻で止まったままの時計――。東日本大震災東京電力福島第一原発事故の歴史を後世に伝える「とみおかアーカイブ・ミュージアム」が11日、富岡町本岡で開館した。

 被災したパトカーには、警視(当時41)と警部補(同24)の双葉署員2人が乗っていた。「住民の命を守った行動に感謝して後世に伝えるべきだ」と町民有志が訴え、遺族や県警の協力で展示が実現した。

 また、「針を止めた時計たち」のコーナーには、地震直後の停電や津波による浸水、電池切れなど、さまざまな原因で別々の時刻に止まった七つの時計を展示した。震災翌日の12日に川内村へ全町避難し、すぐに復旧作業に着手できなかった原発事故ならではの状況を伝えている。

 資料の収集は、一部地域を除いて避難指示が解除される3年前の2014年から始まった。常設と企画の展示スペースは約684平方メートルあり、約5万点の収蔵資料のうち約430点を展示している。

 宮本皓一町長は11日の開館式で、町に戻った人と震災後転入した人の合計が1725人(7月1日現在)と震災前の約11%にとどまることを踏まえ、「様々な人々が集い交流できる拠点として、また、多くの人に町を知ってもらい移住・定住の契機ともなるよう最大限活用したい」と語った。

 開館時間は、午前9時~午後5時(最終入館午後4時半)で、休館日は月曜日と年末年始。問い合わせは同ミュージアム(0240・25・8644)へ。(長屋護)