九電もカルテルか 電力大手に再び立ち入り検査 公取委

田中恭太
[PR]

 事業者向けの電力供給をめぐり、大手電力会社がカルテルを結んでいた疑いがある問題で、公正取引委員会は13日、九州電力福岡市)など電力4社に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査を始めた。九電に入るのは初めてで、より幅広い地域でカルテルが結ばれていた可能性が高まった。

 関係者によると、他に立ち入り検査を受けているのは、九電子会社の九電みらいエナジー(福岡市)、関西電力大阪市)、中国電力広島市)。公取委は4月、関西、中部、中国の各地区でカルテルが結ばれていた疑いがあるとして、関電、中国電、中部電力名古屋市)などを立ち入り検査していた。この調査の過程で、九電系についても疑いが強まったとみられる。

 各社は中小ビル・工場向けの「高圧」、大規模工場など向けの「特別高圧」の電力供給をめぐり、各社が従来供給してきた区域外では積極的に営業活動はせず、顧客を奪い合わないよう取り決めている疑いがあるという。新たに九州地区でも競争が制限され、事業者が負担する価格が高止まりしている可能性がある。

 九電系2社は、朝日新聞の取材に「事実確認中」と答えた。関電、中国電は立ち入り検査を認め、調査に協力するとしている。

 九電みらい社は2014年設立。九州地区以外への小売り販売などを担っている。電力・ガス取引監視等委員会によると、九州地区の高圧、特別高圧の昨年の年間市場規模は、合わせて約5700億円を超える。

 電力小売りは00年以降、事業者向けから段階的に自由化されてきた。それまで地区ごとに大手電力が独占していた市場が開放され、新規事業者の参入や大手電力の「域外進出」も可能になり、料金の引き下げやサービスの向上が期待されてきた。

 大手の域外進出は、既存社にとって特に有力な競争相手になり得るとされる。カルテルは電力自由化の趣旨に反するもので、仮に電力価格が高止まりすれば、製品価格などにも転嫁され、一般消費者の負担も増えることになる。田中恭太