「黒い雨」浴び健康被害 法廷では何が争われているのか
戸田和敬
広島への原爆投下後に降った「黒い雨」を浴び、健康被害を受けた人たちは被爆者と認められるか。広島高裁は14日午後3時、控訴審判決を言い渡す。一審判決は、国の援護対象外とされてきた84人全員を被爆者と認め、広島県と広島市に被爆者健康手帳の交付を命じた。被爆76年の今、法廷で何が争われているのか。Q&A形式で整理した。
Q 「黒い雨」とは?
A 原爆投下後、広島市郊外などに放射能を帯びた雨が降った。すすやほこりなどを含んで黒かったため、「黒い雨」と呼ばれている。服などに黒い斑点が残り、健康被害を訴える人も相次いだ。作家の井伏鱒二が被爆者の日記をもとに小説「黒い雨」を執筆し、映画化されたことでも知られる。
ただ、今もなお、どこでどれくらい降ったかや、健康にどんな影響を及ぼしたのかなど、明らかになっていない部分も多い。
Q 黒い雨を浴びた人は被爆者ではないの?
A 被爆者援護法に基づく被…