ラグビー新リーグへ注文 バスケ前チェアマンの辛口評

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野村周平
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 2022年1月に開幕するラグビー・新リーグは、運営法人の役員が固まり、近く1~3部のチーム分けが発表される。バスケットボールBリーグの前チェアマンで、サッカーJリーグで常務理事を務めた経験もある大河正明・びわこ成蹊スポーツ大副学長(63)の目に、その準備状況はどう映るのか。

 おおかわ・まさあき 1958年、京都市生まれ。81年、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。95年、サッカー・Jリーグに出向。2010年に銀行を退社し、Jリーグへ転職。14年に常務理事。15年にバスケットボール・Bリーグのチェアマンに就任、20年に退任した。現在はびわこ成蹊スポーツ大学副学長。

兼任はあり?それとも、なし?

 新リーグ運営法人「JRTL」は6月末、日本ラグビー協会森重隆会長の代表理事就任を発表した。このトップの兼任について、大河さんは率直に語る。

 「利益相反に近い状態が想定される中、よく同じ人を選んだな、というのが偽らざる感想」

 JRTL幹部は「JRTLは協会の傘下団体で、トップ兼任に法的な問題はない」と話す。JリーグもBリーグも協会の傘下団体だが、トップはそれぞれ違う人物が務める。指導者や審判員の養成も含めた競技普及や各年代の日本代表強化をつかさどる競技団体と、各クラブに経営的な自立を促しながら興行を成り立たせていくリーグとでは、トップに求められる資質も異なる。

 JリーグやBリーグでは、大会を充実させるため、代表選手の拘束期間を巡って協会と意見がぶつかってきた。大河さんも、そうした交渉の渦中に身を置いてきた。「リーグと協会は、どうしても衝突する」

 Bリーグ創設時、リーグチェアマンと日本バスケ協会会長は川淵三郎さんが兼任したが、最初のシーズン開幕の前、チェアマンの職を大河さんに託した。

 「過渡期に森さんが兼任することは例外的にいいのかもしれないが、一人がトップとして二つの組織を調整するのはしんどい」

 金銭面の関係をみると、JリーグもBリーグもチケット収入の3%を分配金としてリーグから協会に納める仕組み。ラグビー・新リーグを巡っては、分配金の割合を5%にしたい協会と、サッカー、バスケとの「公平性」の観点などから反発するチーム側とで協議が続いている。大河さんは指摘する。

 「収入を受け取る協会と、支払うリーグ。そのトップを同じ人が兼ねれば利益相反になる。もちろん状況に応じ、利益相反にあたる人を除いて手続きを進めれば法的に問題はない。でも、本当に、トップに忖度(そんたく)せず自由闊達(かったつ)な議論ができているのか、という疑問はつきまとう」

どう開幕を迎えるか

記事の後半では、大河さんが、日本ラグビーが持つ可能性について語ります。「辛口は期待の裏返し」と笑う大河さん。競技の発展のためにビジョンを内外に示し続けるリーダーの必要性を訴えます。

リーグ新設、開幕数年がカギ

 ラグビー・新リーグは22年からの3季を「フェーズ1」、次の4季を「フェーズ2」、続く4季を「フェーズ3」と定め、段階的に形を整えていくことにしている。

 「本格的な新リーグ開幕は2…

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